すべてのレコーディングが終了。
明日もしくは明後日には曲が完成していることでしょう。うまくスムーズに作業が進めば。
前も書いたけれど、大規模な曲は完成までのスケジュールがあまりにも組みにくいので、今回はちょっと反省しています。作り始めてここまで、こんなに時間がかかるなんて初めから予測しながら作るなんて事は難しいわけで。
ある意味、単純な曲のほうが難しいと、ふと思うことがあります。
たとえば「ひぐらしのなく頃に」のBGM「you」は、たった4つの、しかも同じ形のコードが最初から最後まで繰り返される中にシンプルなメロディを乗せた、本当に「シンプル」な曲なのに、あんなにも心を打ちます。
もちろん劇中での使われるタイミングや描写なんかが、相乗効果を生み出しているということはあると思いますが、それにしても、音楽単体でも、強い「引き込む力」を感じるんですよね。
単純だけれど、完成された美しさを持つコード進行と、それに乗せる覚えやすいメロディーが、心の中で反芻されるというのは、大規模かつ複雑な曲にはない魅力があって、ひょっとしたらそれは「普遍的な美」さえ持ち合わせているのではないか、そう思ってしまったのです。
「TETRA」に収録されている「影絵〜シルエット〜」という曲があります。これを作ったのはハルハルですが、彼に出来たばかりのこの曲をはじめて聴かせてもらったとき、心の中を一筋の風がすっと通っていったことを覚えています。何か、自分が今作っている音楽が持ち得ない、「音楽の美」を感じさせられたような気がしました。
技巧的で、計算された、そして大編成の曲を曲を好む傾向があったわけですが、そこにはない「美」も当然存在するわけで、それをハルハルから教えられたような気がしています。
もちろん、大編成の曲にも「美」は存在するんだぞー…といってみる。